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2016/2/1

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1.概要
民法上、養子縁組により養子は嫡出子の身分を取得することとされており、実子と同様に取り扱われ、相続人の数が増加することとなります。
一方、相続税法においては、複数名の養子縁組をしても、養子の数に制限が課される規定があり、本稿ではこれらの規定について確認します

2.民法上の養子縁組
養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得することとされています(民法809条)。よって、民法上は、養子についても実子と同じ身分を取得することとなります。

3.相続税法上の取扱
相続税を計算する際は、相続人の数が多ければ多いほど相続税額の負担が減少するようになっています。具体的には、次の図表のような規定があります。

しかし、相続税の軽減を図る目的での養子縁組を抑制するため、これらの規定には、養子である相続人の数について、次のような制限をしています(相続税法15条)。

@ 被相続人に実子がある場合又は被相続人に実子がなく、養子の数が1人である場合は、1人

A 被相続人に実子がなく、養子の数が2人以上である場合は、2人
なお、養子であっても、次に掲げる者は実子とみなされ、数に制限はありません。

@ 特別養子縁組(民法817条の2)による養子となった者、被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子となった者及び被相続人と被相続人の配偶者との婚姻前に被相続人の配偶者の特別養子縁組による養子となった者で婚姻後に被相続人の養子となったもの。

A 実子若しくは養子又はその直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失ったため相続人となったその者の直系卑属

●養子縁組による相続税のメリットとは?

相続人が増えることで、次のような相続税を減らす効果があります。

1:相続税の基礎控除(非課税枠)が増える
2:生命保険の非課税枠が増える
3:死亡退職金の非課税枠が増える

相続税の基礎控除の算定式は、【3000万円+600万円×相続人の数】で表しますが、養子が加わることで法定相続人の数が増えれば、相続税に基礎控除額が増加し非課税限度額が多くなるのは確かです。また、死亡保険金や死亡退職金の非課税枠も相続人1人に対して500万円増加します。

【控除額の計算式=500万円 × 相続人の数】

●養子縁組による相続税のデメリットとは?

逆に養子縁組を行うことで相続上以下のような問題も生じます。

1:遺産分割がまとまらない
2:孫を養子にすることで相続税が20%も増す
3:相続税の計算上、養子が認められない可能性もある

遺産分割で最も揉める原因となるのが、法定相続人の数が多いことです。また、養子縁組をしていることを知らなかったという場合も考えられますので、むやみやたらに養子縁組をして、トラブルに巻き込まれるのは残された相続人たちです。

養子縁組をする際はよく考えてから行っていただくのをおすすめします。

●養子と相続のまとめ
養子縁組は相続税に関わる相続問題の他にも様々なトラブルになる原因を持っています。

安易に養子縁組をして、相続人たちに禍根を残すことは避けるべきだと言えます。養子縁組自体は良い制度だとは思いますが、相続トラブルになった際は弁護士などの専門家のアドバイスをもらうようにするのがベターな選択かもしれません。


■生命保険金等の非課税(相続税法12条)

被相続人の死亡によって取得した生命保険金等で、その保険料の全部又は一部を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となるが、この生命保険金等については、「500万円×法定相続人の数」までの非課税限度額が認められている。

■退職手当金等の非課税(相続税法12条)

被相続人の死亡によって被相続人に支給されるべきであった退職手当金等で被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものの支給を受けた場合には、相続税の課税対象となるが、この退職手当金等については、「500万円×法定相続人の数」までの非課税限度額が認められている。

■遺産に係る基礎控除(相続税法15条)

相続税の総額を計算する場合においては、遺産総額から基礎控除額を控除して課税される遺産の総額を計算することとされている。
この基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で算出する。

■相続税の総額(相続税法16条) 相続税の総額は、遺産総額から基礎控除額を控除した残額を法定相続人の数に応じた相続人が、法定相続分(民法900条)及び代襲相続人の相続分(民法901条)に応じて取得したものとした場合におけるその各取得金額につき、累進課税を適用することとされている。

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